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2015.2.15

第三十二回 生活保護受給者の葬儀について

こんにちは。

今回取り上げるテーマは、「生活保護受給者の葬儀について」です。
生活保護法という法律で定められている「葬祭扶助制度」については知らない方も多く、ややもすると生活保護受給者の葬儀の施行後にこの制度を知り、申請しようとして断られるケースが多々有ります。
葬祭扶助制度で給付を受けられるのは、あくまでも葬儀の費用を捻出できない方のみが対象になります。故人となった生活保護受給者の葬儀であっても、葬儀を執り行う方に葬儀費用の支払い能力があれば支給されません。冒頭に書いた、葬儀の施行後に制度の存在を知り申請しようとして断られるケースでは、葬儀業者に葬儀費用を支払う予定か、もしくは払ってしまっている場合、葬儀を施行する能力があるとみなされ給付の対象とはなりません。
この制度をよく理解されたうえでスムーズに活用されるように説明いたします。

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○生活保護法とは

生活保護は、生活に困っている方に対して国民の生存権を保証した規定である憲法25条の理念に基づき最低限度の生活を保障するとともに、自分自身で自分の暮らしを支えられるよう支援することを目的としており、これを執行するための法律です。

【生活保障制度の基本原理】
国家責任の原理 第一条 この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。
無差別平等の原理 第二条 すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護を無差別かつ平等に受けることができる。
最低生活保障の原理 第三条 この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない。
保護の補足性の原理 第四条 保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。
【生活保護制度の原則】
申請保護の原則 第七条 保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基いて開始するものとする。但し、要保護者が急迫した状況にあるときは、保護の申請がなくても、必要な保護を行うことができる。
基準及び程度の原則 第八条 保護は、厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし、そのうち、その者の金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行うものとする。前項の基準は、要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであつて、且つ、これを越えないものでなければならない。
必要即応の原則 第九条 保護は、要保護者の年齢別、性別、健康状態等その個人又は世帯の実際の必要の相違を考慮して、有効且つ適切に行うものとする。
世帯単位の原則 第十条 保護は、世帯を単位としてその要否及び程度を定めるものとする。但し、これによりがたいときは、個人を単位として定めることができる。
【保護の種類及び範囲】
生活扶助 テーマ外にて詳細は省略いたします。
教育扶助 テーマ外にて詳細は省略いたします。
住宅扶助 テーマ外にて詳細は省略いたします。
医療扶助 テーマ外にて詳細は省略いたします。
介護扶助 テーマ外にて詳細は省略いたします。
出産扶助 テーマ外にて詳細は省略いたします。
生業扶助 テーマ外にて詳細は省略いたします。
葬祭扶助 第十八条 葬祭扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、以下に掲げる事項の範囲内において行われる。
1.検案と死体の運搬及び火葬又は埋葬
2.納骨その他葬祭のために必要なもの
給付対象として以下に掲げる場合において、その葬祭を行う者があるときは、その者に対して、前項各号の葬祭扶助を行うことができる。
1.被保護者が死亡した場合において、その者の葬祭を行う扶養義務者がないとき。
2.死者に対しその葬祭を行う扶養義務者がない場合において、その遺留した金品で、葬祭を行うに必要な費用を満たすことのできないとき。
【運用の実施】
指揮及び監督機関 第二十条 この法律の施行について、厚生労働大臣は都道府県知事及び市町村長を、都道府県知事は市町村長を監督する。
都道府県知事は、この法律の定めるその職権の一部を、その管理に属する行政庁に委任することができる。
補助機関 第二十一条 社会福祉事業法に定める社会福祉主事は、この法律の施行について、都道府県知事又は市町村長の事務の執行を補助するものとする。
民生委員の協力 第二十二条 民生委員法に定める民生委員は、この法律の執行について、市町村長、福祉事務所長又は社会福祉主事の事務の執行に協力するものとする。
葬祭扶助の方法 第三十七条 葬祭扶助は、金銭給付によって行なうものとする。但し、これによることが出来ない時、これによることが適当でないとき、その他保護の目的を達するために必要がある時は、現物給付によって行なうことが出来る。
葬祭扶助のための保護金品は、葬祭を行うものに対して交付するものとする。
遺留金品の処分 第七十六条 第十八条の規定により葬祭扶助を行なう場合においては、保護の実施機関は、その死者の遺留の金銭及び有価証券を保護費に充て、なお足りないときは、遺留の物品を売却してその代金をこれに充てることができる。
都道府県又は市町村は、前項の費用について、その遺留の物品の上に他の債権者の先取特権に対して優先権を有する。

以上が生活保障制度の法律の基本となるものです。

○葬祭扶助の要件

葬祭扶助の適用要件や基準は、各自治体によって違いが多々あります。
申請をお考えの方は、該当者の住民票のある自治体に問い合わせることがまず大切です。
それにより、葬祭扶助基準をきちんと確認しておくと、葬儀会社の選定や葬儀の段取りがスムーズになります。
いずれの自治体も、適用条件は厳しく支給決定額もかなりの低額となるので、できる限り安い費用で施行してくれる葬儀会社を選ばなければなりません。
また、生活保護葬の施行実績がある葬儀会社なら、親身になって相談に乗ってもらえると思われます。

第十八条では
適用の範囲として

  • 1.検案と死体の運搬及び火葬又は埋葬
  • 2.納骨その他葬祭のために必要なもの

以上の内容について、自治体によって解釈に違いがあり、内規や担当者の判断によっても異なってきます。特にここで言う納骨は寺の納骨堂への納骨ではなく、骨壷に納めることです。

対象者として

  • 1.被保護者が死亡した場合において、その者の葬祭を行う扶養義務者がないとき。
    扶養義務者(故人の子、父母、祖父母、孫、兄弟姉妹のこと)や、その他の遺族が困窮していて葬儀が行なえないとき適用されます。
  • 2.死者に対しその葬祭を行う扶養義務者がない場合において、その遺留した金品で、葬祭を行うに必要な費用を満たすことのできないとき。
    生活保護受給者本人が亡くなった場合に、金品を残さず葬祭費用が無いとき適用されます。扶養義務者がいないので、家主や民生委員、隣保班の人などが申請します。

○葬祭扶助の申請について

生活保護受給者の葬儀で、葬祭扶助を利用するときは申請書類が必要になり、記載事項や注意すべき点をお伝えします

申請書類の記載事項 申請にあたっては基本的に本人が行ないます。健康上の理由等で、本人の申請が困難な場合は代理人をたてることが出来ます。
申請者について
氏名、住所または居所
死者について
氏名、生年月日、死亡年月日、葬祭を行なう人との関係、死亡時の住所または居所
葬祭に必要な金額
扶養義務者がいない場合、遺留の金品の状況
申請場所 死亡者と申請者の住民票が異なる自治体の場合、申請者側の住民票がある自治体の福祉事務所へ申請します。
ただ、死亡者の住民票のある自治体のほうが条件が良く、そこで申請をしたければ保護費を出していたほうの自治体の福祉事務所に相談してみましょう。ときには柔軟な対応をしてくれることもあります。

○葬祭扶助の葬儀の流れ

  • 葬祭扶助の対象者の死亡を知ります。
  • 申請者は住民票のある自治体の福祉事務所へ連絡し、葬祭扶助を申請します。
  • 死亡届を提出する時またはその後、福祉事務所で火葬料金の減免申請をします。
  • 葬儀会社と申請者で葬儀を施行します。
  • 葬儀会社から福祉事務所へ葬儀費用を請求します。
  • 福祉事務所から葬儀会社へ葬儀費用を支払います。

○葬祭扶助の適用外について

生花代、香典返し代には適用されません。
生花を多く飾ってあげたいときは、他の方の協力を得て飾ってあげましょう。扶養義務者や家族以外からの供花などの現物は、所得とはみなされません。
同様に、頂いた香典も所得とは扱われません。香典返し代が葬祭扶助の基準額に含まれないのはこのためです。
香典は葬祭扶助での葬儀費用の不足分を補うことができる貴重な原資です。

○生活困難者・生活保護受給者への支援の実例紹介

愛知県一宮市で生活困難者の支援活動を大変活発に行なっているNPO法人のわみ相談所の共同代表三輪憲功さんに、このブログを書くにあたって参考にさせていただくためにお話を聞くことが出来ました。
のわみ相談所は20年前より生活困窮者の支援活動を行い、中間就労支援を掲げてホームレス・生活困窮者・社会的弱者の方たちの特技や能力を生かし、地域社会に貢献することによって社会復帰と真の自立を促すことを理念とし、働きながら経済的に自立した生活を送る仕組み、誰もが住食衣と職に困ること無く安心して生活できる街づくりを目標に成果をあげています。
支援を希望される方のなかには、大工・看板屋・とび・解体などの経験者で、十分に活用できる能力や技術を持った方がいます。これらの能力や技術を生かし、さまざまなアイディアをもとにシェルター6ヶ所と、便利屋・リサイクルショップ・食堂・宅配弁当店等を運営することで職を創出し、働く方々は労賃を得ることが出来ます。
生活保護を受給することは裏返せば貧困を固定化することになりかねず、相談に訪れた方には、まず、住食衣を提供し外部の協力事業所の支援で一般企業に就職したり、自前の運営先での業務に就いて生活の安定をはかります。現在、シェルター入所者で生活保護受給者は、高齢者・病気の方など数名に限られています。
もし、安易に生活保護の受給に誘導して申請し受給できたとしたら、多額の生活保護費が自治体の負担として重くのしかかり貴重な財源が失われます。そして、生活保護を受給した人はどっぷり貧困生活に浸かり、それに甘んじて働く意欲をなくしていく現実を我々は知っています。
三輪さんによると「つらい境遇を経験した人がシェルターで共同生活することで、社会復帰への意欲を取り戻している」と分析しています。
また、熱心な支援者からの多大な寄付金によって、一昨年には共同墓地を、昨年には位牌堂を完成させ、人が生きてきた証を残すことができる大切な場所が確保されました。
希望されれば遺言書を書いていただき、骨を拾って共同墓地に埋葬し、位牌堂に位牌を祀って永代供養もできます。
遺言書については、現在50余名の方から遺言書を預かっており、すでに5名の方が葬られていますが、共同墓地への埋葬と永代供養を希望される方は、その費用として生前に少なくとも3万円を用意する必要があるとの事です。

以上、今回のブログテーマの「生活保護受給者の葬儀について」で取材させて頂きましたが、今のところ、葬儀そのものは自治体関係者が施行し、のわみ相談所はお骨を受け取って弔うことが役割とのことなので、テーマについては参考意見を載せられませんでしたが、大変有意義なお話を伺うことができましたので、是非お知らせしたく紹介いたしました。

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